三菱ガス化学株式会社様

将来の組織改編に対応できるフレキシブルなユーザビリティ

logo三菱ガス化学(以下、MGC)は、独自技術を基盤として、資源開発からメタノールなどの汎用化学品、さらに電子材料などの機能製品まで幅広く手掛け る大変特色のある化学会社です。海外での豊富な事業経験を有しており、約30年前からサウジアラビアでメタノール事業化を行うほか、タイでポリカーボネー トやポリアセタールといったエンジニアリングプラスチックス事業を行い大きな成功を収めています。

2007年2月にQPR J-SOX導入、その後2007年8月から関係会社を含め広くご利用いただいております。
内部統制に対応するためにどのような観点でツールを選択し、導入後どのような効果や結果が得られたのか、現在の取り組み状況をふまえながらお話を伺いました。
導入事例作成にあたり、三菱ガス化学株式会社 財務経理センター J-SOX対応準備チーム ご担当者様にご協力いただきました。

(2007年12月吉日)

<導入背景>

米国でのSOX法導入にならい、日本でも上場会社に対して、内部統制報告制度(通称J-SOX)が導入されることになりました。J-SOXにおいても、 US-SOXと同様に業務フロー図の書出し、業務記述書、RCM等を作成、一連の業務の文書化を行った後、財務報告に係る内部統制の有効性の評価を行い会 計士の監査を受けることが求められています。
当社(MGC)も2009年3月期決算からJ-SOXの対象となるため、2008年3月までに内部統制の体制整備などを含め、事前準備を終了させなければ ならないと考えました。そして、少数のタスクチームで効率的に文書化から評価までの事前準備を行うために、「作業工数の圧縮」と「将来の運用管理の効率 化」という観点からツールの導入を検討しました。

<QPR J-SOXを選んだ理由>

私どもがJ-SOXに対応するために必要としたものは、単なる業務フロー図作成のためのツールではなく、その後の継続的運用に耐えうるツールでした。なぜなら、US-SOXの事例から内部統制報告制度に係る作業は、文書化終了後も継続的に続くと理解していたからです。
初 年度の膨大な文書化作業に加えて作成した文書の維持・管理と、その文書化後に毎年定期的に行われる有効性の評価にも多くの作業工数がかかることは大きな懸 念となっていました。そのため、導入初年度の文書化作業だけでなく、如何に運用に入ってからのテスト・評価の工数を削減できるかどうかを重視し、ツールの 絞込みを行いました。

最終的にQPR J-SOXを選んだ理由は、

  • 組織の追加やフロー図の作成が容易で、組織改編など変化に対する対応力が高いこと。
  • Web上での閲覧に際して、管理者や一般ユーザーに個別に画面表示の設定ができる等、状況に応じたフレキシブルな運用が可能であること。
  • (一つのデータベースを用いて)文書化はQPR ProcessDesignerで行い、文書化終了後の内部統制の有効性の評価をQPR Metricsで行うことで、内部統制の文書化から有効性の評価まで一体となった運用が可能であること。
  • MGCのサーバー上のQPRとネットワークを利用することにより、グループ会社を含めた一体運用が容易であること。

これら継続的な運用における生産性の高さからQPR J-SOXを選定しました。

<活用状況>

まず、内部統制の構築を行うプロジェクトチームを社内に発足させました。
具体的な業務の進め方としては、プロジェクトチームが現場に対して業務のヒアリングを行い、その結果を基にプロジェクトチームがQPR ProcessDesignerを使用して文書化を行う集中方式で行っています。

<QPR J-SOX導入により得られた効果>

多くの企業が膨大な時間と人手をかけて、表計算ソフトやワープロソフトで文書化を行ったのに対し、私どもは当初からQPR J-SOXを活用することによって、効率よく高い水準の業務フロー図を容易に作成することが出来きました。少数の社内プロジェクトチームが集中的に文書化 を行う方式をとったので、情報を一元的に管理できるQPR J-SOXが効果を発揮したといえます。

例えば、どの程度まで業務をドリルダウンしフロー図に落とし込むかといった点において、情報の共有によりチームの意思統一が図れ、業務の手戻りを防止することができました。これは作業工数の削減に役立っています。

当社は国内外に連結関係会社を有しており、グループ会社への展開の際にもQPRが効果的に機能しています。親会社が雛形となるモデルを作成、関係会社に提供することで関係会社の文書化の負担を大幅に削減することが出来ました。

また、ネットワークを利用することによりサーバー上で関係会社の進捗状況を常に確認できるので、プロジェクト運営管理に大きく役立っています。

<今後の展開>

現段階で業務フロー図の書き出しについては、ほぼ終了し今後はQPR Metricsを用いた内部統制の有効性の評価フェーズに移行する予定です。評価フェーズでは、QPR Portalを利用し、メールとWEBシステムで現場にCSA(自己点検)を行うよう指示を行い、結果を報告させるので、監査チームの作業工数を削減する ことができます。その削減できた作業工数の分、リスクの高いものについては直接監査チームを派遣するなどしてメリハリのある運用が可能になると考えていま す。そして、結果の評価をQPR Metricsにより可視化し、常にモニタリングすることで、今後の内部統制の継続的改善につなげることが出来ると思慮しています。

将来的には、J-SOXの評価対象となる海外関係会社の増加に伴い、内部統制の構築と評価を行う必要性が拡大していくと考えられ、本社と一体的に運用できるQPR J-SOXの利点が一層発揮される機会が多くなるだろうと予想しております。

企業紹介

MGCの特徴は、製品の90%以上が独自に開発した自社技術から生み出されていること。独自の技術から生み出された製品は、プラスチック・塗料・香水・健 康食品・お菓子の脱酸素剤などへと姿を変え私たちの生活の中に溶け込んでいます。また国内外200件を超える技術ライセンスの供与実績は技術志向企業とし て日本のみならず、世界のビジネスシーンで活かされています。
グローバルな展開の中で、より環境にやさしい素材の開発、より省資源・省エネルギーとなる製品やプロセスの開発に取り組んでいる企業です。

 

会社名 三菱ガス化学株式会社(MGC) mgccb
本社所在地 〒100-8324
東京都千代田区丸の内2-5-2 三菱ビル
設立 1951年4月
資本金 419.7億円
従業員数 単体2,151名 連結4,561名
(2007年3月末現在)
上場証券取引所 東証一部 大証一部 名証一部
(証券コード:4182)
ホームページ https://www.mgc.co.jp/
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